川獺伏草  ~おがどらの雑記ブログ~

自由気儘に書きたいことを書き連ねるブログです。

オンライン会議で顔出しを回避する方法

 現在はZoomやGoogle Hangouts, MS teamsなどのオンラインミーティングが行われる機会が増えてきました。ぼくの通う大学も例外ではなく、授業アナウンスで「Zoomによる双方向授業を行います」と告知している授業があります。

 しかしながら、我々インターネットに住まう住人としては、どんな理由であっても顔出しをしてはならないわけであります。

 もちろん多様性が求められる昨今でありますから、そんなものは認められて当然だと考えるわけですけれども、中には頭のお堅い教授もいらっしゃることでしょう。

 今回はそのような教授を説き伏せ、顔出しを回避することに成功しましたので、皆様の参考になればと思いこのブログを執筆させていただきます。

 

 -時は2020年、4月。ぼくは最も恐れていた「Zoomを使用してリアルタイム・双方向の授業を行う」という文字列を講義概要に発見する。

 

 なんやかんや予想出来たことではあります。手遅れになってからでは遅いので、「事前に講義概要が出ているものはチェックしておくか」と思ったのが功を奏しました。

 早速メッセージ。

こんにちは。****と申します。
ワークショップについて、1つお伺いしたいことがあるため、メッセージを送らせていただきました。
「Zoomを使用してリアルタイム・双方向の授業を行う」とありますが、生徒に顔出しを強制することはありますか?
私は宗教的事由により顔をカメラで撮影することが困難であるため、事前に確認しておきたいです。
もし必要である場合には、目的をお伺いした上で、その目的を達成するための代案を提案させて頂きたい所存でございます。
返信をお待ちしております。

  返信内容をそのまま載せるのは憚れるため、概要をまとめます。

  • マスク着用や仮想背景の使用は認めるが、それでも難しいか?
  • 顔出し不可というのは、カメラによる撮影のみか?それともオフライン授業でもそうなのか?
  • 生徒は録画不可設定で配信を行うが、それでも難しいか?
  • カメラをOFFにした場合、端末の前にいるかどうかが分からないのでONにしてもらいたい。
  • カメラをONにすると、お互い議論がしやすい。

という内容でした。

 もちろん、教授側の提案で折れるつもりはありません。ぼくの要求の最終着地点はWebカメラをPCに接続しないことであり、それ以外は落単なのですから。

 ただし、「カメラをOFFにした場合、端末の前にいるかどうかが分からない」というのは厄介な問題です。これに関しては、「学生がサボらないかどうかを監視する」という、直接評定に関わる問題だからです。そして、Webカメラの設置がその問題の解決方法として最適解なのは間違いありません。

 そのときに返した文章がこちらです。

返信ありがとうございます。
教場において普通に対面することは全く問題はありませんが、宗教上の理由からカメラによる撮影を行うことは困難です。
撮影すること自体が困難であるため、それは「後から参照可能な形にする」ということが不可能であったとしても困難であることには変わりません。
私の自宅では完全なるプライベート空間を確保することが困難であるため、ビデオをONにすると家族が映りこんでしまう可能性があることを踏まえると、自分以外の他者にも迷惑が及んでしまうため、やはりビデオをONにしてミーティングに参加することは難しいと考えられます。(仮想背景は現状「カメラに撮影されている部分のうち、動かない部分を隠す」という仕様で実装されているため、仮想背景を使用しても家族が映りこんでしまう状況は避けられません。)

ビデオをONにする理由の一つである離席に関しましては、基本的には離席する前後に、Zoomの機能であるチャットや挙手機能を用いたいと考えております。(そのような手段を用いれば議論を途中で遮らなくても良くなります。)そもそもとして、授業中に離席すること自体があまり褒められる行為ではないと思います。しかしトイレや配達など、やむを得ない理由にて離席したとしても、それはビデオがONになっていたとしても「あの人はなぜ急に居なくなったのだろうか?」と疑問に思ってしまうことでしょう。
離席による不利益を被るのは、授業を聞き逃してしまう自分自身です。よって離席を明示的手段で他者に伝えるということはビデオのON、OFFに関わらず自分自身にとって必要なことであると私は考えています。
一方で、「離席を無くす」という考え方も出来ます。もしやむを得ない状況において数分間離席しなければならない場合、ワイヤレスヘッドセットを用いればPCの前にいるかどうかに関わらず議論を続けることが出来ます。

もう一つの理由であるところの議論のしやすさに関しましては、顔出しの有無に関わらずスムーズな議論が行えることを既にサークル等でのオンラインミーティングにより確認済みです。私の所属するサークルでは、Zoomによるオンラインミーティングを既に2月頃から行っていますが、カメラを使用しているサークル員はおよそ半分です。むしろPCの画面を共有している時間の方が多く、そちらの方がより多くの情報を伝えられると実感しています。

以上の理由と解決策により、必ずしもビデオをONにする必要は無いと現状考えておりますが、どうお考えでしょうか。

 長文で申し訳ないです。今回使用した武器は2つです。

  1. 宗教的事由
  2. 家庭内の問題

 宗教的事由に関しては、言わずもがな「大学は配慮しなければならない問題」であります。もしこういった事由を無視して講義を行うようなことがあれば、より上の組織に相談される可能性があります。

 そして、家庭内の問題に関しては「学生にとっての不可抗力」であることをアピール出来ます。学生にとって親というものは絶対的存在であり、大学の学費を払っているのも大抵の場合は学生にとっての親です。これに対立した場合、大学は学生の親と対立してしまうことになります。それは双方にとって避けたい事案であることは自明でしょう。

 離席に関しては、「離席を表明しないことは離席する人にとって不利益が生じる」という点を前提に置きながら論を展開させました。ミーティングであれば少し集中が途切れると話に置いて行かれます。そういった側面を上手く交えながら、「いかにその不利益を生じさせないか」という点に着目することで、「離席自体を無くす」というトンデモ視点(これもオンラインだから出来ることです)に辿り着くことが出来ました。

 「顔が見えないと会議がしにくい」というクソザコ指摘については、我々の方が教授よりもオンラインに慣れているという面を前面に押し出せば逃げ切れると思いました。それは目論見通りで、教授も最終的にはWebカメラ非使用を認めてくれました。(ありがとうございます。)

 今回は使わなかった手として、「環境の整備が困難」という武器が存在します。しかしながら、

  • インターネット環境の未整備であれば、ミーティング自体困難
  • カメラのみ未整備であれば、Webカメラを買えば終了。(意外とこれは安い)さらに、最近はスマホを代用することも出来る
  • パソコン不所持はさすがに現実的でない

などの理由から今回は使用しませんでした。

 また、「録画禁止にしても画面を直接スマートフォンなどのカメラで撮影することが出来る」と主張することも可能でしたが、可能であれば教授に人間不信だと思われたくなかったので自重しました。

 

 今回はオンラインミーティング限定のシチュエーションでしたが、オンラインミーティング以外の場合は家族を理由にすることは困難です。

 そういった理由から、これからも永久に顔出しをしないために架空宗教のWebサイトを立ち上げることにしました。

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  正直大学で知り合った知人にも、自分が写真に写りたくないということをいちいち説明するのにも飽きました。インターネットに浸ると顔出しはしないということが当たり前のように感じられてしまうのですが、俗世では「写真に写ることが常識」であり「それ以外の考え方は存在しない」と思われているようです。

 そういった説明をこれからの人生でしなくても済むように、「これみて」の4文字で済ませられるようなページを作成した、という訳であります。

 

 もしこのサイトを見て助かった石油王がいらっしゃったら、サーバー代の一部を負担してくれるととても助かります。有料サーバーに移行したいです。よろしくお願いいたします。